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チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~

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あらすじ:友永ひかり(広瀬すず)は、県立福井中央高校に入学する。中学からの同級生である山下孝介(真剣佑)を応援したいと思った彼女は、チアダンス部に入る。だが彼女を待ち構えていたのは、アメリカの大会制覇に燃える顧問の女教師・早乙女薫の厳しい指導と練習だった。先輩たちが次々と辞めていく中、同級生のチームメート玉置彩乃(中条あやみ)と切磋(せっさ)琢磨しながらチアダンスに打ち込むひかり。チームは一丸となってトップを目指していくが……。

 

 

75点

 

 

映画としての完成度としてはどうなのよ?とは思う。特に演出の拙さは目立つ作品。でも「細かい事はどうでもいい、だってみんなこんなに頑張ったんだから!」と最終的には登場人物全員の幸せを願わずにはいられない、エネルギーと愛に満ち溢れた一本でしたよ。

 

広瀬すずが出来る子だってのは『海街diary』『ちはやふる』でも分っていたつもりなんですけど、本作も輪をかけて素晴らしい。なに?可愛くて演技が上手いうえに、踊れて面白いのあなた?って感じで、どこまでいっちゃうんでしょうかこの人は。

 

決して才能が傑出しているわけではないけど、存在だけで周りを明るく照らせる存在のひかり。でも明るくふるまう彼女にも悩みがあって周囲にも気を遣っていて・・。ケガで全国大会のメンバーを外れながらも当日仲間を励まし送り出したあと、思わず見せる悔し涙。

 

そうだよね、やっぱり立ちたかったよねあの舞台。

人知れず努力を重ねてどうにか間に合ったアメリカでの本番。「ケガで落ち込んだ時期もありました。でも頑張ったお陰で報われました」なら、よくある青春ドラマだねはいはいで終わり。でも「JETSがそして自分自身が一回り大きくなるために自分の資質に向き合う」という展開にグッときちゃいましてね。

 

今まで俯瞰的に組織を調和するという立場だったひかりが、行動で引っ張ってきた彩乃の立場になって初めてわかる重圧や責任。そして逆の立場になった彩乃がひかりを支える姿。踊り終わったあと、ひかりの「見えちゃった・・」で私はもう涙腺決壊。

そして一番重要な舞台で主役を譲る事になった彩乃がその後、悔しさを力に変えて自身の夢を叶えるという未来も付記しておかなくてはなりません。

 

最初の30分ぐらいは「かったるいなあ」と思ってたんです。ギャクはスベってるし演出は大仰だし。でも仲間が一度バラバラになってから、一人ひとりの家庭事情が明らかになっていく→逆境を乗り越えて再結成の流れがとても良くてね。。

私も高校まで「ど」が付くほどの田舎で育ったのでよくわかるんですけど、地方都市独特の閉塞感とか都会からきたエリートの子息を素直に受け入れられない感覚とか遊ぶったって逃げ道はカラオケぐらいしかない!とかね。

そういう要素を乗り越えてメンバーが一致団結していく様子は、ほんと他人事とは思えなくて大好物でした。

 

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何でも完璧にこなせるけど真面目すぎる彩乃と不器用だけど直向で引力という名の魅力をもったひかりが、自分の欠点を認め合ってお互いに成長していく・・という流れは、配役も含めてとても良かったですねえ。

 

 

でも、、とも思うんです。

これだけの要素が揃っている。実話ベースだから話の筋もしっかりしているし、役者達のアンサンブルも素晴らしい。メインのダンスシーン、各々が本当に頑張ったんだなって伝わってくる。

だからこそ、細かい演出をもっと丁寧にすれば完璧な作品になったんじゃないの?

 

たとえばメンバーが一度バラバラになったあと、ひかりと彩乃が唯の元をたずね、3人で踊りはじめるというシーン。

せっかくの名シーンなのにビルのガラスの関係で広瀬すずが見切れちゃってますから。なんであんな雑な演出すんの。そしてなぜあのカットを採用するの。

それと最後の舞台の直前の円陣。グルっと舞台裏を映すショットがありますけど、用具係?計算された人なのかたまたまなのか知らないけれど、一瞬おじさんがチラッと映るの気になるわ!

さすがに柳ゆり菜の高校生はコスプレにしか見えないだろとか、まあ突っ込みだしたらキリがないのも事実ですよ。

 

でもね、最後のひかりの「見えちゃった・・」とメンバー達が最高の笑顔でこちら側に駆けてくるシーンはほんとに素晴らしい。これはもう大きなスクリーンで見るからこその感動だと思います。

 

色々と言いたい事はありますけど、見終わる頃には「もっと彼女たちの活躍を見ていたい!」なにより「みんな幸せになってほしい!」とすっかり虜でしたよ。私もこういう青春時代を送りたかったなーと、輝いている彼女たちがとても羨ましく思えました。一心不乱に何かに打ち込んだ経験というのは別の道を歩んだとしても決して無駄にはならないと思うので、元ネタである福井商業高校JETSの皆さんに敬意を表しつつ、皆さんのこれからの一層の活躍と幸せを祈って締めくくりにしたいと思います(って挨拶かし!)

 

 

 

オシマイ

 

ラ・ラ・ランド【夢の実現と閉じていく可能性】

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あらすじ:何度もオーディションに落ちてすっかりへこんでいた女優志望の卵ミア(エマ・ストーン)は、ピアノの音色に導かれるようにジャズバーに入る。そこでピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出会うが、そのいきさつは最悪なものだった。ある日、ミアはプールサイドで不機嫌そうに1980年代のポップスを演奏をするセバスチャンと再会し……。

 

 

95点

 

 

泣いた。途中から泣いてた。もう「映画ってなんて楽しいんだろう」という多幸感に溢れていて、それでいて観賞後に残る仄かな寂寥感。

 

トランプの登場以降、良くない意味で世界を賑わせているアメリカ。でも本来アメリカをアメリカたらしめていた理由、多くの人々が憧れを抱いたソフトパワーの側面。

ジャズや演劇といった文化的要素、「なりたい者になれる」と信じ夢を抱いて集まってくる若者。挫折や失敗も数多く経験しながら、それでも挑戦し続けるからこそのセカンドチャンスの重要性。

でも主人公達を決して甘やかすことなく「夢を追うとは、こんなにも厳しく犠牲を伴うもの」というメッセージ。

 

ミュージカルの楽しさ、画面の美しさ、ミアとセバスチャンのデートシーンがいちいちオシャレなのも含めて「私が見たかったアメリカ映画ってこういうのだよ!」と嬉しくて泣いてた。

 

印象的なシーンはあげるとキリがないのですが、エマ・ストーンの存在感は素晴らしかった。何ていうんですかね、キュートなんだけど美人すぎない。着飾ってても完璧なスタイルじゃない感じが絶妙。

泣いたり悲しそうな表情をする時は意外と皺が目立ったりして(失礼)、それでいて勝負のオーディションでは圧巻の演技力でミアの大物ぶりに説得力をもたせてしまう。

 

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こんなに可愛らしかったミアが

 

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最後にこうなってしまうのは少し寂しくもあり・・というのはワガママ(私の知ってるミアじゃない!)

 

一つの夢を追いかけるという生き方はとても尊いことかもしれないけど、それによって閉ざされていく可能性や他の選択肢も無数にあるわけで、つまりそれが大人になる=歳を重ねるということなのかもしれません。

だからこそ人は「ありえたかもしれないもう一つの人生」「なれたかもしれないもう一人の自分」に思いを馳せる・・それが凝縮された濃密だけど切ないラストシーン。

 

数え切れないほどの要素をミュージカルにのせてリズムよく語り、時間を忘れてしまうほど観客を楽しませ、考えさせるような余韻も残す。これ以上映画に何を望むのだろう。

 

ただ一つだけ残念、というか引っかかったのはセバスチャンの扱い。

2人のすれ違いが増えたころ、セバスチャンが用意していたサプライズパーティ。でも最終的には口論になってしまい「君は恵まれない境遇の僕に同情していただけだろう」という「おま、それ言うか!」な決定打を放ってしまうシーンがありますよね。

でもあの結末は「セバスチャンの言ってたことってあながち的外れとも言い切れないんじゃない?」と見えなくもない。

 

セバスチャンは一度は夢を諦めかけていたミアを引き戻してくれた恩人じゃないですか。ミアがパリに行くと決まった時も「夢を叶えるために必死で頑張ってこい」と私欲は後回しに背中を押してくれた男の中の男じゃないですか(ちょっと変わり者だけど)

にも関わらず、ミアは今や大女優、結婚して幸せな家庭も築いて・・。いや5年間2人の間に何があったか知らないけど、セバスチャンはずっとミアのことを待ってたかもしれないよ?

 

「夢を追うことの代償」としての側面だったのかもしれませんが、私はベタなストーリーで上等なのでセバスチャンにも幸せになって終わってほしかった。今も心に残るモヤモヤ。その資格がある男だったと思うから。。

 

 

 

 

オシマイ

サバイバルファミリー【時間と金のムダ】

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あらすじ鈴木家は、父・義之(小日向文世)、母・光恵(深津絵里)、息子の賢司(泉澤祐希)、娘の結衣(葵わかな)の4人家族。ある朝、目を覚ますと突然全ての電化製品が停止しており、鈴木家だけでなく近所中で同じことが起きていた。さらに電車も車もガスも水道も止まってしまい、家族全員途方に暮れる。そこで義之は、東京から出ようと決断し……。

 

 

0点

 

 

たとえば「大作なのに脚本が雑」とか「キャストは豪華なのに演出が下手」とか「原作への愛が感じられない」とか、不快に感じる映画の代表的な要素っていくつかあると思う。私も劇場でついイライラしながら見てしまうこともある。でもこの作品の不快さは、心底どうでもいい話を延々と見せつけられる感じ。a.k.a.拷問

 

まずお話の大前提、「大変だ、停電だー」って通電しないだけならわかるけど、目覚まし、携帯、PC、車、もろもろが一切動かないのは、停電じゃなくて怪奇現象です。まずその事に驚け。焦れ。

 

おまけになになに?水道はチョロチョロなら出るっぽい、ガスコンロは普通には着火出来ないけどライターを使えば使用可能、、えーと何が出来て何が出来ないのかはっきりさせてもらえませんかね。

 

そもそもこれは東京近郊だけの話なの?どこまでいけばセーフなの?神奈川はダメなの?じゃあ静岡は?ってか緊急事態なのに警察とか行政とか自衛隊とかもう少し何とかしろよ。街中が野放しっておかしいだろ。

 

んで、家族で鹿児島に向かう途中に立ち寄った米屋?金目のものと物々交換で米を貰いにきてた人が沢山いましたけど、きみたち炊飯器使えないのにどうやって生米食うの?本当に重宝されるべきはカロリーメイトじゃないの?

 

一事が万事この調子で、どうでもいい要素、どうでもいい場面がただひたすら、ただひたすらに羅列されていくんですよ。

 

さらにこの映画が悪質なのは、臨場感を出すためか知らないけど手持ちカメラ風の撮影で画面がグラグラグラグラしちゃって、もう高速道路を一家で走行するあたりで気持ち悪くなっちゃって、酸っぱいよこっちは。というか下らないシーンの撮影のために高速道路貸し切ってるんじゃねえよ。同じハイウェイ占拠物の『ラ・ラ・ランド』の爪の垢を煎じて飲ませてもらいなさい。その買い占めた水で。

 

こんな二本が同じ値段で公開されていることにビックリする。と感じるほどラ・ラ・ランドは素晴らしかったのだけど、それはまた別のお話。悪い事は言わない、みんなでラ・ラ・ランド見ましょ。楽しいから。

 

 

オシマイ

『ドクター・ストレンジ』

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あらすじ:ドクター・ストレンジベネディクト・カンバーバッチ)は、天賦の才能を持つ脳外科医として名をはせていたが、ごう慢さが玉にきずだった。彼は地位も名誉もリッチな生活も手に入れていたが、交通事故によって全てをなくしてしまう。神の手と崇拝された両手の機能を取り戻すため、高額な治療を繰り返すが……。

 

 

 70

 

 

久々のマーベル作品観賞。「MCUでカンバーバッチ主演なら面白くないわけがないよねケッ」と少し意地悪な気持ちで見てきましたが予想以上に面白かったです。

 

アベンジャーズは物質世界で悪と戦う、われわれは・・」と対比を匂わせる台詞が出てきますが、まさにこの世界観がお気に入り。モビルスーツを着たおじさんとコスプレしたマッチョがいがみ合ったり、そこに巨乳エージェント(by町山智浩や緑色の亜種巨大生物が加わってドンガラガッチャンする手法にはウンザリしてきてた私にはピッタリでした。

 

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時空が歪むなかで繰り広げられるアクションシーンは素直に「スゲエ」と思ったし

 

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魔術で戦うという発想も楽しかったです。こういうのって誰しもが子供のころ「自分にも出来たらいいなあ」と一度は夢想したのではないでしょうか。というか頑張れば今からでも出来る気がする私はダメな大人。

 

ただ、クライマックスはちょっと残念。

時間を戻す魔法が大いに活躍するわけですが、何度でもストレンジが復活してくる様には笑った。笑いましたけど、一方で「それが出来るならもう何でもありじゃね?」と。だからモルドはあれだけ抵抗を示したんでしょうけど「それならエンシェント・ワンも復活させたれや」と思ったり。

 

エンシェント・ワンが死ぬタイミングとか次回作への繋がり方も「うん、知ってた」感があるし「天才外科医は魔術を扱わせてもやっぱり天才でした」という展開も「いい気なもんだよなあ」とちょっとノイズになったり。

 

まあシリーズ導入作なので一足飛びで説明する作りになるのは仕方ないのでしょう。カンバーバッジの熱演もあってストレンジのキャラ立てには成功していると思うので、次作以降にも期待。

個人的には、このタイミングで今までと違った世界観のキャラを出してきてくれた事が何よりも嬉しかった一本でした。

 

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にしてもレイチェル・マクアダムスはほんと美人ですよねえ。年齢考えると驚異的。大好きなエミリア・クラークにちょっと似てる。

 

 

 

オシマイ

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

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あらすじ:帝国軍の誇る究極兵器デス・スターによって、銀河は混乱と恐怖にさらされていた。窃盗、暴行、書類偽造などの悪事を重ねてきたジン(フェリシティ・ジョーンズ)は反乱軍に加わり、あるミッションを下される。それはデス・スターの設計図を奪うという、困難かつ無謀なものであった。彼女を筆頭に、キャシアン(ディエゴ・ルナ)、チアルート(ドニー・イェン)、ベイズチアン・ウェン)、ボーティー(リズ・アーメッド)といったメンバーで極秘部隊ローグ・ワンが結成され、ミッションが始動するが……。

 

 

80点

 

 

「どうせディズニーが金儲けの為に作った後出しの物語だろ?」と舐めた気持ちで見てきたのですが。ですが同じ後出しでも私はフォースの覚醒より断然こっちが好み。というかシリーズの中でも一番好きな作品かもとさえ感じてしまうのだから、まさに先入観は罪、固定観念は悪by野村克也

 

フォースの覚醒が続きありきの同窓会要素満載の作品だったのに対し、こちらは一話完結の物語。シリーズでお馴染みのキャラクターも殆どと言っていいぐらい出てこない。次々と出てくる登場人物がみんな「おまえ誰?」状態なのですが、これが揃いも揃って超魅力的。

 

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この3人(正確には2人と1体)のリズミカルなやり取りには笑ったし

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「アジア系の人物が出てこない」と言われていたシリーズ作品に出演を果たしたドニー・イェンも良い味出してたし

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ソウ・ゲレラ(フォレスト・ウィテカー)の15年後の風体や秘密基地も最高だったし(以下略

 

という感じで時間が進み登場人物が増えるにつれどんどん楽しくなっていったのですが、半分を過ぎたあたりで悲しい現実に気づいてしまったのです。

これはep4の前日譚。しかし登場人物は4には出てこない人ばかり。ということは・・。

 

それほど「彼らの活躍をもっと見ていたい」と思った。それこそがこの作品の肝だと思える点で、SW的要素は上手に抽出しつつこれほど多くの人物を魅力的に、そして感情移入出来るように描いている。

 

彼らはルークと違いフォースなどという半ば反則技ライトセーバーも身に付けていない。だからこそ彼らにとって帝国軍がいかに手ごわく強大な力を持つ相手であるかという事実が強調される。そんな人々が勇気を振り絞り一致団結し、宇宙とその未来のために命をかけて戦うという、まさに「人生やるかやらないか、の時に「やる」を選んだ勇気ある人々の感動の物語」というSW版ロッキー的作品でもあるのだ。

 

相変わらず「帝国軍の警備甘すぎ」問題とか、彼らが命と引き換えに手に入れた設計図であるにも関わらず「これは希望よ(ドヤ」のレイアをマジでぶん殴りたくなるラストはどうかと思う。でもこの作品全体から発せられる悲しくも前向きなメッセージからすれば瑣末なこと。

 

ルークなんかの戦いがちんけなものに思えてしまうほどシリーズ他作品のどの登場人物よりもこいつらが一番すごくね?という点を一人でも多くの方に確認していただきたいという意味でもオススメの一作でございます。

 

 

 

ちなみにジンの父親が「私のスターダスト」を連呼する度にこれを思い出してクスクスしまう私は、改めてどうしようもない人間だなあ・・

少しは彼らの勇気を見習わないとね。

僕から以上!

 

 

オシマイ