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『インサイド・ヘッド』

映画


「インサイド・ヘッド」ストーリー予告 - YouTube

 

あらすじ

ミネソタの田舎町で明るく幸せに育った少女ライリーは、父親の仕事の都合で都会のサンフランシスコに引っ越してくる。新しい生活に慣れようとするライリーを幸せにしようと、彼女の頭の中の司令部では「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」の5つの感情が奮闘していた。しかし、ある時、カナシミがライリーの大切な思い出を悲しい思い出に変えてしまう。慌てて思い出を元通りにしようとしたヨロコビだったが、誤ってカナシミと一緒に司令部の外に放りだされてしまう。ヨロコビは急いで司令部に戻ろうと、ライリーの頭の中を駆けめぐるのだが……。

 

 

 

90点

 

 

 

「間違いなく今年5本の指には入る良作!(3本かも)」

と思いましたよ。

 

まず見た人は皆さん感じる事だと思うんですが「こんなアイデアをよく1つのエンターテイメントに昇華させた!」という点が素晴らしい。

誰しも、人生は選択の連続な訳ですが、その1つ1つの選択にどのように感情が作用しているのか。そして、その選択の結果としての記憶の蓄積、それによる人格の形成。単純にそれらの要素が見ていて勉強になるだけでなく、1本のストーリーとして飽きずに最後まで面白いのが素晴らしい。

 

夢の扱い方や、イマジネーションランドのあれこれ(妄想彼氏(彼女)とかみんな考えるよね)、思考という列車、幼年期に考えていた夢のあれこれ、それを脱皮して成長していく過程、他者の感情に関する描写(奥さんが元カレを思い出すシーンとか最高)もう良かった点を列挙していくとキリがないわけです。が、何よりこの映画を見て良かったと思うのは、こういう自分の中の自分を知ることによってダメな自分や嫌いな自分もまた受け入れてあげる事が出来る気がすること。

 

「悲しみ」「ムカムカ」「ビビり」「怒り」って誰しもある感情だと思うんですが(程度の差はあるけどね)「悲しむ事は必ずしも悪い事じゃないんだよ」って事だったり、得てしてマイナスに思える感情とも上手く付き合っていかないとなあと思えた次第。生きるという事はそれだけで素晴らしいと純粋に思えましたよ。

 

なにより、自分を知るという事は他人を知るという事でもあり、自分の弱さやダメな部分と向き合うという事は他者を思いやる、慈しむという事にも繋がると思うわけです。人間1人1人、経験や環境によって個性が違うのは当たり前なんですよね。そういう点からも非常に意義深い作品だと思いました。(事実と意見は混同されがちという描写なんて含蓄があって良かったですな)

 

 あと、何かと話題のドリカムによるオープニング。まあ散々悪評は聞いてましたし、日本の映画ってこういう誰得なタイアップをしがちなので相当覚悟をして見ました。なのでそれは個人的にそこまで・・(まあ半ば諦めの境地だったし、途中からは「これいつまで続くねん」と思ったけど)

 

それよりも不快だったのは冒頭のショートムービー。なんかブ男の老火山(♂)と神秘的にしたかったんだろう良いオンナ風の若火山(♀)

基本的にピクサーのショートムービーって好きだったんですが、これは火山の造形も気持ち悪かったしストーリーの真意も不明だし(理解できてもすごく不快なメッセージな気がする)心底ゲンナリしました。

 

あとね、これはまあ夏休みのシネコンだし仕方ない部分もあるんですが、観客の多くが小さい子供連れの家族だったり、普段は映画なんて殆ど見ないんだろうなあ的なライト層のカップルっぽい人が多くて。それは別に構わないんですが、映画が始まってもゴソゴソ喋ってる人が多かったり、後ろの客は何度も座席を「キッキング」してくるし、エンディングの途中で携帯の電源付けて煌々と画面を見てる人がいたりと、私の「イカリ」は爆発寸前だったんです。(ほんと後ろの客は2,3度マジギレしてやろうかと思った)

 

でもエンディングが終わって劇場が少し明るくなるタイミングで、映画を見ていた数人の小さい子供達が自然と拍手をしましてね。マジギレしかけた自分を恥じると共に「こういう環境で映画を見るのも捨てたものじゃないかも!(呆れる位単純)」と思ったのです。早速のインサイド・ヘッド効果!

 

まあほんとに「自分の事をよく知る」「自分の中の嫌な自分とも上手に付き合う」「他者のことを深く考える」いろんな意味で見てよかったと思える作品でした。

こういう時代だからこそこの作品を見る意味が大きいと思うし、1人でも多くの人(特に日本の将来を担う子供達!)に見ていただきたい良作でございます。