読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『の・ようなもの のようなもの』

映画


映画『の・ようなもの のようなもの』予告篇

 

あらすじ

東京の下町、師匠・出船亭志ん米(尾藤イサオ)の自宅に住み込み落語の修行に明け暮れる出船亭志ん田(しんでん、松山ケンイチ)は、ある日かつて一門に在籍していた志ん魚(しんとと、伊藤克信)を捜してほしいと師匠から頼まれる。志ん魚の消息を求めて師匠の弟弟子・志ん水(でんでん)や昔の門下生たちを訪ね回るが、手掛かりをつかめずにいた。やがて志ん米の娘・夕美(北川景子)も志ん魚捜しを手伝うことになり……。

 

 

 

80点

 

 

 

 

「いい映画だなあ・・」

 

お話自体は取り立てて特筆するべきことのない、まあはっきり言えば地味な話なんですよ。でもね、出演陣の豪華さ、彼ら(彼女ら)が演じる登場人物達の愛おしさ、そして紡ぎ出す世界観、全てが絶妙なバランスでね・・。

とても穏やかな気分になりましたよ。

 

近代に生きる我々が忘れがちな、古きよき日本の良さが詰め込まれている作品でしたなあ・・。師匠と弟子、地域コミュニティの繋がりや、世代を超えた人々の関係性、そして一度人生のレールを外れてしまった人たちのONCE AGAINモノでもあるという。

見る人によって色んな登場人物に感情移入できる、様々な楽しみ方が出来る良作だと思いましたよ。

 

 

観賞後の感情としては昨年見た『海街diary』に似たものを感じました。決して派手なエンターテイメントではない。でも双方とも忘れ難い余韻を伴うというか、心の琴線に触れるものがあるんですよね。

それは日本人だからこそ感じ得るものなのか、それとも作品のクオリティに由来するものなのかはわかりません。ただどちらも命の無常さと、それでも生きていく事の素晴らしさを描いている点では共通しているのではないかと。

 

 

登場人物も全員素晴らしかったですね。

主役の松山ケンイチが最後にお墓の前で「出目金」を披露するシーンは本当に感動したし、北川景子演じる夕美は師匠と弟子という、緊張感を伴う主従関係を和ませてくれる絶妙なキャラクター。私も業種は全く違えど、かつて同じような立場で下積みをした経験がありますが、その時も師匠の美人娘さんが唯一の心のオアシスだった事を思い出したり・・

 

f:id:sei1ies:20160120072037j:plain

 

一見おてんばでも、実はこういう人が一番色んな事に気を配っているというあるある。ちなみに北川景子さんは同郷という事で前々から密かに応援しております(結婚おめでとう!)

 

 

脇役にも忘れ難いキャラクターが多くて

 

f:id:sei1ies:20160120065843p:plainf:id:sei1ies:20160120070220p:plainf:id:sei1ies:20160120070749p:plain

画面越しに直接話しかけてくる彼らの味わいも最高だったし

 

 

f:id:sei1ies:20160120072645p:plainf:id:sei1ies:20160120072756p:plainf:id:sei1ies:20160120072810p:plain

ラジオとのギャップが最高なピエール瀧さんは実にいい味を出してたし(一度タバコを落とすのとか、絶妙なビールの注ぎ具合とか)鈴木京香さんの「あなたそれ強迫性障害って言うのよ」には笑ったし、対照的に一言も発する事無くこの日一番の笑いをとっていた塚地武雅さん。

 

 

本当は全員に言及してペタペタ写真を貼りまくりたいところなんですが、キリが無いので割愛。ただそれぐらい、全員が全員素晴らしくて。出演時間が大して長くないにも関わらず、これほど様々な登場人物に愛情を抱ける作品はそう無いのでは?と思いますよ。

 

まるで自分も彼らの仲間に入れてもらえたような温かい気持ちになりましてね。それでいて「立場は違えどみんな頑張って生きてるんだよ(オマエモガンバレ)」 と背中を押されたような気分。確実に上映中にもう1度は劇場に足を運ぶと思うほど大好きな作品になりました。

 

 

ちなみに、こちらhttp://no-younamono.jp/comment/歌丸さんのコメントが素晴らしいので、是非一度読んでみてくださいな。

宇多丸じゃないよ、歌丸だよ。