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『オデッセイ』

映画


映画『オデッセイ 』予告編

 

あらすじ

火星での有人探査中に嵐に巻き込まれた宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)。乗組員はワトニーが死亡したと思い、火星を去るが、彼は生きていた。空気も水も通信手段もなく、わずかな食料しかない危機的状況で、ワトニーは生き延びようとする。一方、NASAは世界中から科学者を結集し救出を企て、仲間たちもまた大胆な救出ミッションを敢行しようとしていた。

 

 

 

85点

 

 

 

純粋に、何も考えずに2時間楽しめる映画って貴重だと思うのです。万人受けする=平易や幼稚な作品というわけでもないし、いくらストーリーが面白くとも演出や演技に粗が目立ってもいけない。そういう点で、この作品はよく出来たエンターテイメントだ!と思いましたよ。

 

「火星に一人取り残された宇宙飛行士を助ける」というストーリーだと、いかにもお涙頂戴な展開(個人的に一番嫌いなパターン)になったり、シリアスな方向に持っていく事も出来たと思うんです。でも音楽の使い方やワトニーのキャラクターを上手くいかした演出によって、見事に中和していましたね。

 

一番良かったのは「人間すげえ」「ワトニーすげえ」に簡単に帰結させずに、「科学(化学)すげえ」という展開に持っていった点だと思います。 一人火星に取り残されたワトニーがカメラ越しに我々に語りかける体をとったのもそうだし、火星探査機を使って通信を図るシーンや宇宙服や基地の高性能さを示すような演出の数々。それとワトニーが植物学者の知識を生かしてジャガイモを栽培する過程や、水を生み出す仕組みなど科学力と人間力のバランスの描き方が実に良かったですね。

 

理系色が強くてちょっと飽きそうな場面でも、人糞を登場させたり不意の爆発によって髪の毛が縮れたりと、ユーモアを交えてシリアスな展開に振り過ぎないバランスが絶妙だと思いましたよ。

 

 

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火星の土と人糞を肥料にジャガイモを育てるところは思わず「頑張れ!(ジャガイモもワトニーも)」と思ったり。NASAは火災による事故を嫌う=宇宙船の積載物は燃えにくい物で出来ているって真実なんでしょうな(無知丸出しの文章)

 

 

とはいえ、中盤あたりまでは「これどうなの?」と思うベタ展開も多かったんですよ。ワトニーが生きている事を発見し、通信したNASAが「ワトニーの食料はあと○○○日分もつ。ただし順調ならば」と言った後アクシデントによって育てていたジャガイモが全部パーになってしまうシーンとか、食糧輸送用のロケット(一発目)を打ち上げて成功と思い喜んだのは束の間、爆発するところとか「いくら小説が元ネタとはいえ展開がベタ過ぎない?」と思ったり。

 

でも後から振り返れば、このベタベタなシーンがあったからこそ二発目の食糧補給船のドッキングやワトニーを救出に向かうルイス(ジェシカ・チャスティン)のシーンなんかもスリルが生み出されましたよね。

 

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最後に身を挺して船長としての矜持を示したルイス。ワトニーの前振りからのアイアンマンネタも笑ったし、ジェシカ・チャスティンはクリムゾン・ピークに続いて実に良かったですよ(タイプです)

 

 

というわけで、「年間ベスト!」とか「超傑作!」というわけではないけれど、本当に楽しめる作品でしたよ。

デートなんかで見に行くにはピッタリの作品じゃないかしらん。