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『ペレ 伝説の誕生』

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ストーリー:ブラジルのスラム街で育った少年ペレ(ケヴィン・ヂ・パウラ)は、類いまれなサッカーの才能に恵まれていた。1950年にFIFAワールドカップのブラジル大会が開催され、父と共に優勝を確実視された自国チームを応援するが、彼らがまさかの敗北を喫してしまう。ペレは、ショックを受けて涙する父を目にし、ワールドカップでブラジルを優勝させると決意する。そして1958年、ペレはワールドカップのスウェーデン大会に向けたブラジル代表チームのメンバーに選出され、父のため、国のために優勝を目指す。

 

 

 

70点

 

 

 

ペレの名前は当然知っていた。しかしリアルタイムで彼のプレーを見た事は無い。マラドーナの5人抜きドリブルのような強烈な映像が残っている訳でもないし、ジーコのように日本サッカーの発展に深く関わってくれた功績がある訳でもない。(EDのCMは印象深いけどね)

「凄い人なのは知っているけどイマイチ実像を掴みづらい」、ペレの偉大さや功績を再認識する意味では見て良かった作品。

 

今でもブラジル人の間では語り継がれる(らしい)「マラカナンの悲劇」からペレがプロを目指す過程、そしてサッカーは貧民が裕福になる為の手段であるというブラジルの現実、W杯の大舞台において最年少のペレが中心となりブラジル代表がらしさを取り戻していく様子・・。

ペレの伝記であると共に、サッカー王国ブラジルの勃興期を描いた作品にもなっている。

 

「ペレがサントスに入団するまでの過程」の描き方は凄く良かったと思う。「裸足軍団」の少年サッカーチームは全員個性があって魅力的なキャラクターだったし、父の仕事を手伝う事になったペレがサッカーへの想いを諦めきれずに、マンゴーの実で練習する様子・・。

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母が思わずサントスのスカウトに電話をかけてしまうのも納得の、サッカーに対する情熱がビンビン。

 

ただ、物語が終盤になるにつれ残念で退屈に感じるのは「プレーのレベルが上がれば上がるほど実写化が難しくなる」という点。仕方ないのは百も承知ですけど、物語が終盤になるほどサッカーのシーンにリアリティが感じられない。少年時代のサッカー大会は再現できてもW杯での活躍を再現するなんて無理な話で、コントみたいに見えちゃうんですよね。ペレが活躍するシーンは、当時の映像をもっと活用すれば良いと思うんですけど。権利の関係なのかそれとも映像の鮮明度等の関係で難しかったのか。

 

ちなみに、ペレが入った頃のブラジル代表は今と状況が似ていると思った。現在のブラジル代表も守備的なポジションにはタレントがいる一方で、攻撃はネイマール頼み、ブラジルらしい個人技を生かした自由で楽しいサッカーが失われてしまったとも言われる。実際に自国開催だったW杯、先日終了したコパアメリカと、思うような結果を得られていない。

対して、わずか17歳の少年が、代表チームの空気を一変させ世界一に導くのがどれほど大変で並外れた功績であるか。今とは世界のレベルも参加国数も違うので一概には比較できないが、ペレが去った後ブラジルは24年間もW杯の優勝から遠ざかったという事実が、彼の実力と影響力を何より如実に物語っているのではないでしょうか。

 

貧しい生い立ちから成り上がり、少年時代の宣言通り自らの力によって(しかも3度!)ブラジルを優勝させたペレ。75歳にして再婚(しかも3度!!)と未だ衰えぬバイタリティ。彼の生き様から学べる事は少なくないように思う。

 

ペレがあと15年生まれるのが遅ければ、ジーコのようにJリーグでプレーしてたかもなあ・・。見たかったなあ日本で。